ホームレスの社会復帰を願って

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ホームレスの社会復帰を願って

心も体も暖めて

関東関西にてホームレス支援活動を継続

ホームレスの社会復帰を願って朝の雑踏の街。ふとみると、駅の片隅にうずくまっている人がいます。サラリーマンのようにも見えるもののどこか薄汚れた衣服、顔色も悪く生気がない表情。彼は、寒さの中、外で夜を過ごした様子です。

「職を失いました。昨日まで、名前を言えば誰でも知っているような大企業で働いていたんですが」というホームレスの人は沢山います。

途方にくれたまま、路上で一晩を、そして二晩を…それがやがて三月となり半年となり、本当にホームレスとなってしまう人も少なくありません。

本会は、1999年末より、関東と関西にて『ホームレス支援』を行なってきました。現在は月に一度の炊き出しを行い、暖かな食事と共に、全国の有志や企業から送られてくる援助物資を、彼らひとりひとりに手渡しています。

人生の岐路に立たされ、そのまま堕ちてしまうのか、再びと這い上がるのか、それはその人の心ひとつにかかっています。まわりにいる私たちが、ホームレスの人たちを「人生の敗北者」とみなして、自分の人生とは関係がないと思うことは容易いこと。確かに、普通に社会生活をしていれば、自分がホームレスになることは無いと思えることでしょう。しかし、もし自分の家族がホームレスだったら・・・?

人として、当たり前の情を持っているなら、当然にその家族を助けようとするでしょう。

ホームレスの社会復帰を願って-ボランティア国際援助

遠い家族への思いを胸に

実際、ホームレス支援をして驚いたことは、ホームレスの人たちの中には、「家族に対して、自分がホームレスであることを知らせていない」という人たちが多かったことです。

娘や息子、そして妻には、父であり夫である自分が、都会の空の下でホームレスになっていることを知らせずにいる人が少なからずいました。

「家族には心配をかけたくありません。だから、連絡をとらないでいます。子どもたちは、まさか父親がホームレスになっているなんて考えてはいないでしょう。想像もしていないと思います」

毎回炊き出しの際、メンバーがホームレスの人たちひとりひとりから聞き取りをする度に、こんな言葉を何回聞いたことでしょうか。

ホームレスの社会復帰を願ってそんな時、メンバーは、彼らにそっとテレフォンカードを渡します。

家族に対して、どれほど連絡をとりたいか、そんなことはわかり過ぎるくらいわかっています。自分の生活もままならない状態であっても、息子、娘を案ずる親心には何も代わるものはありません。彼らの胸中を憶うと大変辛いものがあります。

メンバーは、季節季節で毎月違う炊き出しのメニューを考えます。冬なら暖かいものを、夏はさっぱりとしたものを。しかし、毎日食べ物を手に入れることが叶わない彼らの為に、腹持ちのよいもの、更に持ち帰っても食べられるものを、と。

炊き出し前には必ず、炊き出しに使わせて頂く場所や、その環境を提供してくださる方々に、感謝の思いを込めてメンバーとホームレス全員で、周囲を掃除します。世間には、ホームレスの姿を目にするだけで嫌悪する人たちも多くいます。

しかし、彼らが一生懸命掃除する姿を見て、声をかけてくれる町の人も少なくありません。掃除には、感謝をしてその場を奇麗にするだけでなく、周囲の方々については活動に対して理解をして頂けるようにという思いが込められています。また、ホームレスの人たちが良い事をすることで食事をすることができ、良い事をすることで周囲から認められる、ということを彼ら自身に体でわかってもらうという目的があります。

掃除が終わり、暖かいお茶や飲み物を飲んだ後、炊き出し場所で整列して待つホームレスの人たちからは、彼らが食事を手にするのを本当に心待ちにしているのが伝わって来ます。しかし、ごくたまに、ホームレスの人たちの中に、食べ物や、自分のことを支えてくれる皆の善意に対して感謝もなく、非常に心が貧しく我が儘な人もいます。こういう人を叱ることもメンバーの勤め。社会復帰の為にも心を改めるチャンスを逃さぬようにと考えています。

ホームレスに手渡す皆の善意と思い

ホームレスの社会復帰を願ってある冬の炊き出しの日、関東関西のメンバーは、あまりにも寒い冬の夜を外で過ごすホームレスの人たちの為に、沢山の寝袋を準備しました。

その後、関西のメンバーからこんな連絡がありました。

「ホームレスの人たちからこんな声がありました。『寝袋の中で寝ていると、路を行く人に蹴られたり、火をつけられたりするんです。ジッパーがあるから、すぐに出られないんで、せっかく寝袋を頂いても使うことができない』と言うんです。たまらない気持ちでした。ですから、今後は毛布を配りましょう」と。

私たちメンバーは、本当に切ないやるせない気持ちになりました。

厳しい冬が終わると、路上生活の彼らもほっとひと息。しかし春の前の越冬の時期には衣服一枚、そして一食に正に命がかかります。だからこそ、毎月ご協力多くの皆様や企業より送られてくる援助物資はホームレスの命綱なのです。

関西・関東の炊き出しメンバーは次のように語ります。

「活動当初より、快く沢山の援助物資をご寄付し続けてくださっている企業様もあります。いつも、焼きたてのパンやお菓子を、わざわざ私たちの炊き出しの為にご用意くださるそのその暖かいお気持ちは本当に有難いです。

そして、皆様が送ってくださる色々な物品には、ただ単に物を送って下さったのではなく皆さんの気持ちを感じます。『炊き出しには来られないけれど、一緒にやりたい』という気持ちです。

冬ならホームレス達は何が必要か、帽子マフラー、年賀状を出したいんじゃないか、少しでも暖かいものを食べたいに違いないからカップ麺や即席味噌汁を、誰からも振り返られないから寂しいだろうとバレンタインデーのチョコにメッセージをつけてとか、ひとりになった時に、ちょっと甘いものを食べられればお腹が満たされ心が癒されるのではと日持ちする色々なお菓子を百個以上袋詰めして…等々、皆さんの心遣いが本当に優しいのです。毎回、その気持ちが彼らに伝わるのだと思います」

ホームレスの社会復帰を応援

メンバーは皆、自分自身の仕事を持っています。早朝から炊き出しの周知活動をして、午後炊き出しが終わって全ての撤収作業を終えて帰路につくまで、自分たち自身が何も口にすることもありません。

ホームレスの社会復帰を願って 炊き出しの一日は、ただ、何日も食べていないホームレスの人たちの為だけに食事を準備し、多くの皆様の善意の援助物資を手渡して、ホームレスひとりひとりの話を聞いて励ましてまわります。

毎回手渡される食料や衣料から、多くの人々の善意や想いを、きちんと心で感じ取り受け取った者たちが、再びと立ち直り再出発を果たして来たことからも、人の想いは伝わるのだということが分かります。

何年にも亘る多くの皆の善意は、確かにホームレスたちに届き、最近ではほぼ毎回「就職」の報告を聞くことが出来るようになりました。喜ばしいことです。

一方、もう社会復帰が出来る見込みもない年老いたホームレスの人たちは、本当に可哀想です。彼らの小さくなった肩を見る度に、心痛みます。せめて、せめて、この炊き出しのひと時だけでも、心も体も暖まってほしい。あなたを思っている人間がいるんだよということを覚えていてもらいたい。そして、また来月、無事に顔を見せて欲しい…メンバーはそう願っています。

人生を諦めるとはそう簡単なものではありません。誰しもが自らの存在を認めて欲しいと願い、愛されたいと欲する中、誰からも優しい言葉もかけられることもなく、食べるものさえままならぬホームレスの人たちは本当に哀れです。しかし、そのような自分を誰かが暖かく見守ってくれている、支えてくれている、と感じられる事は、どんなに力強い救いとなることでしょうか。

私たちは、これからも多くの方の善意と共に、困った人の手助けとなり力となってゆきたいと思います。

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